映画は舞台を超えられるのか 映画「オペラ座の怪人」

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パリ・オペラ座の地下に潜む「ファントム」は美しいダンサー「クリスティーヌ」に姿を隠しつつ、音楽を教える。クリスティーヌはファントムを「パパが送ってくれると約束した音楽の天使」と崇め、彼から音楽を学び次第に歌姫へ変貌を遂げる。

そんな時、オペラ座のパトロンに「ラウル」が就任が、ラウルはクリスティーヌの幼馴染で、美しい歌姫に成長したクリスティーヌに惹かれる・・・という話。

こう書くとなんてド定番な三角関係。

原作は小説なのに、限りなく「アンドリューウェバーの作品」と思われている「オペラ座の怪人」の映画版。映画版は小説よりもミュージカル版を映画にしたという方が近いわね。

世界中で上演されているミュージカルであり、日本でも超有名劇団の「劇団四季」を代表すると言っても過言ではない本作は、もちろん私も観劇済み。私がミュージカルにハマったのもこの作品がきっかけだったかもしれない。だからこそ、映画公開当時、劇場に行くのが怖かった。

その時は六本木のTOHOシネマズがOPENして間もなくで、VIPシートというものがあったの。
1杯のドリンク付きでちょっと高級なソファシート。雰囲気を大事にと、赤ワインを片手に観た記憶があるわ。

うぉーーー、何このオーヴァーチェアー!すごい!かっこいい!
この豪華絢爛の、でもどこか病んだ様な雰囲気、退廃的な美しさ。

始まって5分できっちりと心を鷲掴みされた私、期待値も高まるというものです。
そして出てきました、クリスティーヌ!心配していたけど、クリスもラウルも歌に問題なし(字幕鑑賞です)。

でもね、クリス、口の半開きは止めなさい、頭悪そうだよ。

見てると真打・ファントム登場!おーう、なんていうのかしら、ロック調ファントム様!若いわノリノリだわ。
ファントムが登場してからクリスは口半開きのまま。昔懐かしいAAの ( ゜Д゜) ←これよ、まさしく。


全編通してミュージカル。苦手な人には辛い映画。
でも、アンドリューウェバーの長年の夢だったんだろう本作品、舞台では演出しきれないところを映画で見せようとしたんだと思うの。映画の強みはそこだから。

でも、困ったことに私には内容が舞台より薄く感じられてしまった。音楽で紛らわせている印象というのか・・・。

人物表現が浅いからクリスは尻軽のフラフラ女に見えちゃうし、ファントムには悲哀が感じられない。ラウルに至っては何がいいのかわからない。

想定よりアメリカで人気なかったのも頷けた。日本でそこそこ人気があったみたい?だけど、この作品はある種、別格なのよ。

この映画を観る人の大半はミュージカルにアレルギーがない人。劇団四季のファンの人も多いでしょう。そんな人達にとって、この作品は観るべきもの、なんだもの。


あ、私もオーヴァーチェアーとドン・ファンの勝利を見たいが為に2回観たわ。

ドン・ファンの勝利は「なんでこんなに妙に現代的なの?」とか「passion-play」を「情熱のプレイ」って訳したり(受難劇じゃないの?)とビミョーなところもあるけれど雰囲気が素敵なの。(でも情熱のプレイって、なんだか、いきなりピンクっぽくなるわね・・・)

私は2回とも字幕版で観たのだけど、この作品の吹き替えは劇団四季メンバーによるものだったのね。

ファントム:高井 治
クリスティーヌ:沼尾 みゆき
ラウル:佐野 正幸
メグ:五所 真理子

今更だけど、もう一度DVDを見直さなくちゃ!


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