あれもそれも置き去りにした。
曲と雰囲気でインパクトあるCMは作れる!? 「いいちこ ポスター展」で記事にした通り、大宮ソニックシティで開催中の「iichiko design展2017」に行ってきたわ。
歴代のCM曲が流れる中に飾られているポスター達。
一貫したセンスに美意識。いいちこのポスターは河北秀也さんが全て担当され、三和酒類から一任されているとか。なるほど、企業が絡まないというのはデザイナーが自由に表現できるかもしれないけれど、よほど確立したポリシーを持っていないとブレブレになると思うのよね。
しみじみと穏やかで柔らかいのに、どこか突き放したようにも見える、寂寥感。微かに感じる違和感。
そうか、風景の中に溶け込んでいるように見えるいいちこだけど、やはり「それ」を目にしてしまうともうそれを意識しないわけにはいかなくなる。
いいちこという商品のスタンスがそこにあるのかもしれない、と思ったりなんかして。
それと、いいちこポスターの秀逸なコピーを作成されているのが野口武さん。
帰ったら話したいことがある。
その水は夜になると星を映す。
ほら!情景が浮かぶでしょう、物語を想像しちゃうでしょう!?
いいちこのポスターのコピーってすごくあっさりしていて、ぽんっと投げられたような言葉。
それなのに絵と文が組み合わさって1枚の作品になった時に、いきなり物語が生まれるの!
曲と雰囲気でインパクトあるCMは作れる!?なんて書いたけど、確かにインパクトはあるのだけど(だって、なんでライフセーバーの映像なの?って思ったし)、決してそれだけではない、点の集合体が円をつくるような、そんな美しさが背景にある。
いいちこのHPでギャラリーも見れるので、ぜひチェックしてみて頂きたいわ。
いいちこのサイトではグッズも売っているのだけど、このピンバッチは心惹かれる!ぜひ購入したい! そして下町のナポレオン君、いい表情すぎる!
私が唯一、しっくりこなかったのはこれ。
この作品自体は当時もよく目にしていて、この「iichiko」の文字が水に流されているところがセオリー破りな気がして、すごく違和感だったのだけど改めて見てもやはり同じ感想だったわ。私の頭がガチガチなのかしら・・・。